※演劇素人の感想です
※ネタバレしてます
※書き散らかしです
去年の終わり頃に知ってすごく好きになったブログがあって、そこでとてもオススメされていたので観て来ました。
「罠に嵌められているんだ。」そう思い込んでいる男と、彼らを取り巻く物語。
本当に、本当に難しい劇でした。
最終的には主人公と、その親友の関係性が鍵なのかな、と思います。
劇中、変な言動を繰り返す主人公を、一度も狂人扱いしなかった親友がとても印象的でした。自分が頭がおかしくなった時、壺見のように妄想に付き合ってくれる存在がいるのか、とか考えてしまいました。
(現実架空問わず)特定の人を指して、「あの人〇〇障害っぽい」というのは個人的にはナシなんですけど、劇中で何度も「声が聞こえる」「罠に嵌められている」「カメラはどこだ」と繰り返す主人公の姿が、統合失調症の陽性症状の特徴にあまりにも似ていたので、あまりの身近さに背筋が寒くなる思いでした。
幻聴や被害妄想というのは、自分の気にしている部分などの精神的に弱いところを的確に突いてくる症状です。神様の声が聞こえるという主人公は、精神的な支柱がずっと欠けていたのではないかと思います。それが、17年、もしくは18年ぶりに親友に再会し、妄想に付き合ってもらうことで、心の中に何らかの変化が起こった…それがこの作品なのではないかな…と思いました。
一番最後のシーン、主人公がビデオを見終わって立ち上がった時の「あ、白線」というセリフが本当に意味がわからなくて怖かったのですが、白線の存在を忘れていたことなのか、白線が見えるようになったのか…わからないですね。
私としては、主人公が救われるエンドが良いのですが、どうなのでしょうか。
解釈が分かれる作品を見たのは本当に久しぶりです。いい体験でした。
おやすみなさい。